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【2025年1月】2025年 新春


2025年 新春

2025年1月 くまもと心療病院 理事長・院長 荒木 邦生

 

 2024年は重くて辛い年だった気がする。世界においては長引くウクライナやパレスチナでの戦争。アメリカの大統領選挙でのトランプ氏の勝利。日本においては元旦に起こった能登半島の地震、長い猛暑と降雨災害。病院においては相変わらず感染症との戦い。病床利用率低下や人手不足による難しい病院経営の問題などがあった。個人的には夏ごろから体調と気分が整わず、だるくて疲れやすい日々を過ごしていた。

 

 そうこうしているうちに年が明けたが、2025年はいったいどのような年になるのだろうか。世界や日本のことはさておき、当院や個人のことについては、私の努力や工夫により好転させる可能性があるので、頑張ってみたい。まず病院外の業務を減らし、今まで出張や会議などに取られていた時間を取り戻す。個人的な時間を増やし体力と気力をすこし充実させる。年齢からも、私が病院に何らかの貢献ができる時間は限られてきたので、もうしばらく可能な範囲内で頑張って、地域のためにもうしばらく貢献できたら良いなと思っている。

 

 ところで近年の人手不足は非常に深刻である。特に我々のような医療分野においては、何処も苦労をしていると聞いているが、この状況はしばらく変わらないと思われる。看護師や看護助手、調理師は人員が不足しているが募集しても応募がない。医師も全体数は足りていると国は考えているが、都市部への偏在が顕著で、クリニックに人材が奪われている。特に人口減少傾向が強い地域では、患者不足も職員不足も後継者不足も大変深刻で、今後はベッド削減や閉院、M&Aなどで併合が進むであろう。そのような中で当院はいずれの道を歩むべきだろうか。

 

 新年早々また重い話をしてしまったが、ネガティブな性格なのでついそうなってしまう。

 

 年4回のこの「りふれ」や、年1回の「あゆみ」の巻頭言でも明るい話を書いた記憶がない。今年はその辺から変えたいが、どうすればよいのか、これは難問である。とにかく病院で笑顔の時間を昨年より少しでも長く作れるよう努めたい。

 

院外広報誌「りふれ」Vol.81

 新春号 より

 


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