くまもと心療病院

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院長コラム


2020年春

 

2020年4月 くまもと心療病院 理事長・院長 荒木 邦生

 

 新型コロナウイルス感染の拡大により、満開の花を見ても気持ちが晴れない。そもそも精神科病院は感染症に対して脆弱性を有している。感染対策が理解できず指示に従えない患者さんが多くいること、高齢者が多く入院していること、医師も含め職員に感染症に対する知識や経験を有している人が少ないこと、などの理由による。資源や物資が足りないからと言って、もし対策をせずに院内感染が起こればパニックになることは必至だ。自分たちなりにやるしかない。いま感染対策を担当する職員を中心に、みんなが本当によくやってくれていることに心から感謝している。今後はその取り組みをいかに病院の隅々まで広げてゆけるかであろう。


 当院は現在病院の新築工事中で約一年後に竣工予定であるが、その時には晴れ晴れとした気持ちで迎えたい。コロナウイルスとは長い戦いになると言われているが、私は戦いとか勝利ではなくウイルスとの共生だと思っている。元々動物が持っていたウイルスを引っ張り出したのは人間である。ここはウイルスにいったん落ち着いていただき、その後はワクチンや薬も使わせていただき、一定の距離で静かに付き合わせていただきたい。「ウイルスに勝利した証としてオリンピックを開催する」という言葉には人間のおごり高ぶりを強く感じる。

 

院外広報誌「りふれ」Vol.62 春号 より

 


 

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