くまもと心療病院

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院長コラム


2024年 新春

 

2024年1月 くまもと心療病院 理事長・院長 荒木 邦生

 

 

 暖かくてのんびりした良いお正月だな、と元旦を過ごしていた。しかし北陸の人たちにはそれが許されなかった。確かに自然災害はいつ何時襲ってくるか判らないが、現実はあまりにも厳しい。熊本地震が発生したのは4月中旬だったが、今回の能登半島地震はこれから雪が降る厳しい季節である。被災された方々の辛さは想像を絶するものがあると思うが、何とか生き延びて春を迎えてほしい。できる範囲で何らかの支援をしたい。

 

 羽田空港滑走路での航空機事故にも驚かされた。私も年間20往復くらい利用している場所で、海保機の乗組員5人はお亡くなりになられ心が痛むが、日航機の乗客乗員は全員無事で大惨事を免れたことは不幸中の幸いだった。医療現場でもミスは起きるし、そもそも人はミスをする生き物である。だからチェックシステムが機能しないと事故になる。医療現場ではせいぜい人によるダブルチェックが主体だが、あれだけ一度に大勢の人の命を預かる仕事では、仮に空港管制官と海保機機長の二人の人間が同時にミスをしたとしても、事故を防ぐ何らかのシステムがあって当然と思う。いまや自動車の衝突回避システムは一般的になりつつあるのだから、航空機もせめて滑走路上だけは事故を防止する機械的システムが必要だと思った。2024年は波乱の幕開けになったが何事も早く落ち着いてほしいものである。

 

 新型コロナウイルス感染症が5類になり、世の中は脱コロナに向かっているが、ウイルスは消えていない。まだまだしぶとく次のチャンスを覗っているような気がして不安だ。しかし怖がってばかりもいられない。病院ではコロナの影響もあり低下気味であった病床利用率をどう回復させるか、人手不足をどう緩和するか。県の事業でもある認知症疾患医療センター熊本モデルの継続問題をどうするか、など課題は山積している。いずれものんびりできる仕事ではないが、色んな方々の協力を得て仕上げたいと思っている。

 

院外広報誌「りふれ」Vol.77

 新春号 より

 


 

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