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【2024年7月】2024年 夏


2024年 夏

2024年7月 くまもと心療病院 理事長・院長 荒木 邦生

 

 今年はなかなか梅雨に入らないと思っていたが、降り出すと心配なくらい雨が続いた。やはり自然は人間の思いどおりにはならない。今年も想像を超えた猛暑になるのだろうが、患者さんが自宅で熱中症にならないか心配である。エアコンと水分補給の重要さを診察時に伝えてはいるが、年々と弱者が生きづらい世の中になっている。

 

 今年は久しぶりに病院の「夏祭り」をしようと思っているが、コロナ前より少し規模を縮小したい。理由は暑さ対策と人手不足である。以前よりも少ない人数で多忙化した病院業務をこなす必要があるが、多大な労力をレクリエーションに割く時間は無いのが現状である。だからと言ってやめるつもりはない。大事にしていることを、如何にその時代の環境で続けてゆけるか、如何に工夫をして守ってゆくかが重要であり、私は「夏祭り」や「文化祭」をとても大事に考えている。

 

 日本の政治では自民党が劣勢である。長年の「政治と金の問題」に対し、改革がぬるいため国民の怒りが止まらない。自民党はどうも国民を甘く見ているようである。いくら野党がだらしないとしても、今度は「お灸をすえる」つもりになっている。

 

 アメリカの大統領選は、バイデンとトランプのどっちがなっても不安だらけである。世界のトップリーダーになる人が、認知機能低下か人格水準低下のどちらかの選択とは情けない。欧州では右寄りの政権が次々と誕生しそうである。私はせめてアメリカだけでも民主党に勝ってほしいと思っているが、バイデンは人気が無い。今からでも候補を代えてほしい。

 

 日本では円安の影響で海外からの旅行者が多くなっている。熊本もTSMCの進出がありアジア系外国人が増えている。台湾の企業にあれだけ大きな設備投資が出来て、日本企業にできなかったことが情けない。目先の利益だけ考えて、将来の予測を読み間違えた結果であろう。

 

 いろいろと不安は尽きない夏ではあるが、何とか我々は守るべきものを守りながら、夢のある将来を創造したいものである。

 

 

院外広報誌「りふれ」Vol.79

 夏号 より

 


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